
川奈教会に昨年までILO(国際労働機関)の日本代表を務めていた方がおられます。今朝の聖書の学び会の中で、その方が発言くださった内容が非常に興味深いものでした。
ILOは国連が定める労働基準・労働者の権利を各国が守るよう推奨する機関です。https://www.ilo.org/tokyo/about-ilo/lang–ja/index.htm
労働者の権利が侵害されている様々な国や事例に介入して労働者の権利が守られるよう国に働きかけ変化を促していく。聞いただけで途方も無く難しいお仕事ですが、そんな活動をするILOにはお金が無い。つまり、お金を投入して譲歩を引き出すような手法が取れず、そもそも何の権限も無く強制力を発揮する手段が無い。そこで自分たちが使える道具は言葉だけであるとおっしゃるのです。
だからとにかく話し合う。時間をかけて話しを聞き、話しを聞いてもらい、何年・何十年とかけて言葉で伝えていくしかない。そして、そのようなILOの活動が世界中でたくさんの労働環境を改善させる実績をあげてこられたというお話しでした。感動しました。
国際関係においても、また私たちの身近な生活の中にあっても、話しても無駄。もう対話ではどうしようもできないと、直ぐに見切りをつけてしまうのです。でも本当に言葉が尽くされていると言えるのでしょうか。言葉以外に力を持たないILOがそれゆえに言葉を尽くして世界を変えてきた、勇気をいただくお話しでした。もっと詳しい事例を色々と聞かせていただきたいと思っています。