子ども中心になりやすい時代

少子化の時代、一人の子どもに集中する大人の数がとても多くなっています。
両親、それぞれのおじいちゃん・おばあちゃん、おじちゃん・おばちゃん、沢山の大人たちの中に子どもが一人・二人ということが珍しくありません。
愛情を向けてくれるたくさんの大人たちに囲まれて育つことは素晴らしいことですが、一方で気をつけていないと子どもが自分を王子様やお姫様と勘違いしてしまいます。ただやみ雲に可愛がればよいということではありません。
たくさんの大人たちの中に子どもが一人だけいるとどうしても家族全体が子ども中心になってしまいます。
「何をしたい?」「どこに行く?」「どれにする?」、いつも決めるのは○○ちゃん。周りの大人は○○ちゃんの一言に従ってくれるのが当たり前。
大人たちは子どもを可愛がっているつもりなのでしょうが、こういう中で生活していると子どもはどういう感覚に陥るでしょうか。自分は世界の中心、王子様・お姫様。周りの大人たちは自分の言いなりになる従者です。
たくさんの王子様・お姫様の集団生活

さて、このような感覚を持った子どもが幼稚園や保育園など集団生活の中に入った時にどういうことが起こるでしょうか。「当然、この幼稚園でもわたしが中心」と思っていると、何と自分以外にもたくさんの王子様・お姫様がいるのです。みんなが「あれやこれや」と王子様・お姫様のように自己主張しだすでしょう。
集団生活の中で家庭と同じように振舞えないことを学ぶのは成長の過程における大切な経験ですが、過度に王子様・お姫様のように育てられていると、当たり前のことを受け入れるのにものすごく苦労をしてしまいます。
自分中心に世界が動いていかないことのショックを3歳、4歳になってはじめて経験するというのは子どもにとって中々きついこと。特に「自分の思い通りにならないと楽しめない」のでは本人が一番辛い思いをすることになってしまいます。
なんでも子ども中心は止めましょう
何でも「子ども中心」は最初から止めておきましょう。
親の我がまま・自己中心に子どもをつき合わせるのはもちろんいけないことですが、家庭の秩序の中でお父さんやお母さん、おじいちゃん・おばあちゃんに子どもが合わせること、従うこと。また他の子どもに配慮することも大切な経験です。
適度に合わせることを学んでいる子どもは、集団生活の中で比較的スムーズに友達との関係を築けるようになりますし、自分の主張が通らなくても楽しむことの出来る力が身につきます。
「自分中心」ではなく、「あなたが居て私が居る。私が居てあなたが居る」、そういう相互に認め合う世界観を子育ての中で育んでいくことが大切ですね。
あなたの掛け替えの無い人生が素晴らしいものでありますように!