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地方教会の危機を考える【一教会・一牧師・一会堂】の限界と教派の壁①

投稿日:2022-05-03 更新日:

伊豆・伊東の教会に赴任してもうすぐ20年が経ちます。ドキドキしながら妻と伊東に引っ越してきたのがつい最近のことのようです。着任時、26歳でした。信じられません…。

懐かしい旧会堂荒井牧師の自宅の一室をお借りしていました

苦境に立つ地方教会

残念ながら伊豆のキリスト教会数はこの20年でかなり減少しました。

全国的な牧師不足で地方教会が牧師を招聘することが難しくなっており、経済的に一人の牧師を支えることができない小教会が多く、過疎化が進む田舎の教会は危機的な状況です。

伊東に赴任した当時、川奈聖書教会自体が10名に満たない信徒数で自立も見通せず他所の心配をしている場合ではなかったのですが、その頃から“地方では一教会・一牧師・一会堂の固定観念を捨てた方が良い。そうしないとこれ以上の宣教の前進は望めない”と考えていました。

公共交通機関の脆弱な伊豆半島において自力で教会に通えないと思える教会未設置地域はかなりの範囲に及んでおり、それらの場所で牧師を自力で支えられる教会を建て上げられるとは思えなかったからです。

赴任した当時の川奈聖書教会の礼拝

伊豆半島のキリスト教会

やがて川奈教会が自立を果たし、伊豆半島の教会未設置地域への拠点伝道ができないか考え始めました。

伊豆の過疎地域に【一教会・一牧師・一会堂】を目指す開拓伝道ではとても勝算を見いだせないですが、有能な信徒さんが多い川奈教会ですので、信徒の皆さんの賜物を生かしながら一牧師が複数教会を担当し、会堂も私が赴任する以前15年間川奈教会がしてきたように家庭を解放した小規模集会室のような拠点を活用していけば持続可能な形で教会未設置地域の宣教ができるのではないか。

そんなことをイメージし教会の皆さんと話し合ったこともありますが、そうこうしている内にだんだんと既存教会閉鎖の知らせが聞こえてくるようになり、この10年で実際かなりの数の教会が無くなりました。

一方で、無牧状態(牧師不在)に陥って苦労している教会の近くで開拓伝道が始まるという(その志は素晴らしいと思いますが)、何ともちぐはぐなキリスト教界の様子にやきもきしたこともありました。

小室山から見下ろす川奈の町

地方における小教団の教会

教会数・牧師数が他教団と一桁違う日本基督教団は伊豆半島でも複数教会牧会で対応して小規模教会を守っておられるのはさすがだと思います。

カトリック教会も組織が一枚岩ですから伊豆地域でも早くから司祭の複数教会司牧が実践されています。

問題は同盟教団をはじめとするJEA(日本福音同盟)加盟の教会。最大教派の一つである同盟教団でも全国に250教会ほど。(より深刻なのは単立教会ですが)

全国津々浦々に教会がある日本基督教団と比較すると、小規模教団の連合体であるJEA所属教会は、田舎に同一教団の教会が複数存在することはほぼ無いので、それぞれの教団独自で牧師の複数教会牧会や教会の合併・統合という手段が取れず、一教会一牧師一会堂を維持できるかどうかが教会の存続とほとんどイコールになってしまうという状況。これは地方においてはあまりにも過酷です。

伊東の水がめと呼ばれる松川湖

教団を越えた複数教会牧会の必要性

既存教会を守っていくこと、そして人口の少ない教会未設置地域をケアしてくためにも、地方においては教団教派の壁を越えて牧師の複数教会牧会や教会統合、家庭など小集会場所を活用した拠点伝道を進めていく必要があり、そうしないとこの先10年で更に教会閉鎖が続くことは確実です。

「教団教派を越えた牧師の複数教会牧会、場合によっては教派を超えた教会の合併・統合などを視野に入れないと教会がもたない」、おそらく伊豆半島に限らず田舎の教会の牧師たちの多くが相当前から切実に感じていることでしょう。

けれども実際問題、容易なことではありません。なぜでしょうか。どこに問題があるのでしょうか。キリストの教会を犠牲にしてでも守らなければいけない壁とは何のだろうか…、思う所は色々ありますが愚痴っていても仕方ありません。地方教会の一牧師である私にできることをまずは大切にしていきたいです。(続く)

 

 

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