人生様々な問題があります。私は牧師ですので色々なご相談をうかがいます。相談されるということは当然問題の解決を期待されているわけですが、解決に繋がる具体的なアドバイスはそう簡単には見つからないものです。
人生の大半を私たちは何がしかの問題を抱えて生きるのではないでしょうか。ですから「この問題が解決すれば」と思い悩んでいた課題が解決しても、あっという間に新たな問題が生じるのです。
「問題を抱えている時には生活を楽しめない」とか、「問題の渦中では人生の喜びが感じられない」ということであれば、人生の大半は喜びの無いものになってしまいます。
問題の渦中で恵みを見つける
猫好きで多頭飼いをしている友人が「猫の調子が悪く辛そうにしていると自分もたまらない気持ちになる。でもそんな時に元気なほかの猫たちの姿に癒される」、そんなことをおっしゃっていました。
もしかして薄情な言葉に聞こえるかもしれませんが、これは素晴らしいセンスだと思います。
「何かの問題が起こると喜びも幸せも一切感じられなくなってしまう」、それでは人生の大半は苦しみで覆いつくされてしまうのではないでしょうか。
問題解決先行型の問題
大切なことは問題解決先行型にならないこと。問題を解決することに執着せず、問題を抱えながら生きる力を身につけることです。
問題解決先行型の人は、問題・課題が生じるとそこに意識が集中してしまいます。ご飯を食べていても音楽を聴いていても、何をしていてもその問題を考えてしまい、問題以外何も見えなくなってしまいます。しかし、実際には問題の渦中にも様々な喜びや楽しみはあるのです。
「問題が解決したらスッキリして楽しめる」のではありません。問題を抱えながら生きる人生だからこそ、生活の中に喜びや楽しみ・希望が必要なのです。そして神様は問題の渦中においてこそ、恵み・喜びをたくさん用意して私たちを支えてくださいます。
ですから1匹の猫ちゃんが調子を崩して辛そうな時、他の元気な猫ちゃんの姿を喜んで良いのです。喜ぶことで、調子を崩した猫ちゃんを支えていく力が生まれるのです。
問題包容型へ
あくまで私のスタイルですが、私は家ではあまり仕事の話しや自分が抱えている問題について話題にしません。それは仕事と家庭を割り切っているということではありません。
仕事上の様々な課題、また皆さんから相談頂いている色々な問題を家にいる時も始終思い悩んでいたら、結局私が問題に押しつぶされてしまいます。
ですから「割り切る」というのではなく、自分の抱えている課題、また支えを必要としてくださっている方々の問題に向き合い支えていくためにも、家庭における恵み・喜びを大切にしたいと思っています。
「問題の渦中にこそ、喜びや楽しみ・希望はいつも与えられている」、このことが分かってくると、「問題解決先行型」から「問題包容型」の生き方に転向できるのではないでしょうか。
問題はそのままに、神様が今あなたに与えてくださっている恵みを探してみませんか。見つかったらそれを喜び楽しんでみてください。きっと、問題・課題に向き合う力が生まれてきます。
あなたのたった一度の人生が素晴らしいものでありますように。