ぐっちーの牧師室から

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子育て

上の子を愛せないあなたへ

投稿日:2020-09-26 更新日:

二人兄弟の次男として育ちました。教員をしている2歳上の兄がいます。コツコツ真面目に頑張る兄を尊敬していますが、それ以上兄との関係性について深く考えることはありませんでした。

しかし自分が親になり2人の子どもを育てる中で、上の子と下の子の違いに気付かされることが多くあり、私自身の兄弟関係について改めて考察する機会にもなっています。

一人目と二人目の違い

上の子は常に親にとって新しいことの連続です。

オムツを替えるのもおっぱいをあげるのも、幼稚園や小学校に通うのも、親にとって全てが初めて。当然親も緊張しますし、神経質になったり時に過敏・過剰になったりと、1人目の子育ては本当に大変です。

それに比べれば、ほとんどすべてのことが経験済みの2人目の子育ては余裕があります。子ども自身も、下の子は幼稚園に通うお姉ちゃんの送り迎えで幼稚園に行き、小学校の授業参観についていって学校の様子を知り、そうやってこれから自分が進んでいく場所を先に把握することができますから余裕が違います。

子育てをしてみて、下の子が上の子のゆえに得られる恩恵がたくさんあることに驚きます。弟の私も「親子の初めて」を体験してくれた兄のおかげで随分助けられたのだろうと感謝をしています。

珍しいことではありません

そうやって兄弟の中でパイオニアとして初めての課題に向き合っていく上の子独特の強さがある一方、子育ての相談においてお母さんから「下の子が可愛い。上の子を愛せない」という話しをしばしばうかがいます。

ぜひ知っていただきたいことは「下の子が可愛い、上の子を愛せない」という感覚はごく一般的なことですし、そう感じたり思ってしまうことには理由があります。決して親としての愛の欠如や欠陥を意味することではありません。

ただ、放っておくと色々と深刻化してしまいやすい課題ですから、放置したり正当化せずに早めに対処なさることをお勧めします。

下の子が上の子に比べると育てやすい、と感じる

下の子が上の子に比べて育てやすいと感じるのは子どもの資質の問題ではありません。最初の子どもを育てるのは本当に大変です。自分で思っている以上に、あなたは第1子の子育てを頑張り懸命にお子さんをお育てになったのです。そして、その頑張りは身も心もすり減らすような痛みを伴うものであったのでしょう。

一方、2人目のお子さんは最初の経験がありますから以前より楽に子育てができます。「良かった、良かった」となりそうなものですが、そこでお母さんの中に最初のお子さんを育てた時の痛みや苦しみが残っていると「2人目は可愛い。それに比べて1人目は…」と無意識に怒りや悲しみを第1子に転嫁することが起こってしまいます。

かなりお子さんが大きくなっても「上の子を抱きしめられない」とか「上の子にカッとしてしまう」などの悩みを抱え続けておられるお母さんがいらっしゃいます。

でも、あなたが本当に1人目のお子さんを愛していないわけではありません。そればかりかこういう感情を持たれる方は、1人目のお子さんを人一倍必死に愛されたお母さんです。それゆえの傷が問題になっているのです。ご自分を責めないでください。 

性格的に下の子の方が素直で可愛い、と感じる

繰り返しになりますが、一人目の子育ては初めての連続なので親はどうしても神経質&過敏になってしまいます。私自身もそうでした。

1人育ててみると「そんなに心配いらないのだな」と分かり、2人目は良い意味で力を抜いて子育てができます。そうすると、往々にして子どもも大らかで素直な性格に育つ傾向があるようです。

一方、親が神経質な中で育てたお子さんは性格的にこだわりが強く、頑固で融通が利かない傾向が見られるようです。それは子どもの資質の問題ではありません。その第一子の性格は、経験の無い親が必死に子どもを守り育てようと思って几帳面に育てた結果構成される人格で、そういう1人目のお子さんが持ちやすい特質はマイナスと決めつける必要はありません。

お世辞にも順調とは言い難い1人目の子育てであったかもしれませんが、神経質になりすぎてしまったところも子どもを愛するがゆえに起こったこと。適切な関わりを続ける中で、第一子の特質は必ず強みになっていきます。

頑固や自己主張の強さにイラッとする時には、そのお子さんの子育ての中で無我夢中で頑張っていた時のご自分を肯定的に思い出してみてください。お子さんの姿が少し違って見えてくるかもしれません。

まとめ

「下の子が可愛い、上の子を愛せない」という感情に苦しんでいるお母さんへのアドバイスは、自分を責めないこと。自分を正当化しないこと。自分の内側にため込まないことです。

上の子を愛せないという感情はお子さんの資質の問題ではなく、第一子の子育ての中でお母さん自身が体験した苦労や残ってしまった傷・痛みに起因するもので、大切なことはその傷をケアすることです。

痛みや傷は他のことに転嫁しても癒されることがないばかりか、状況は更に深刻になっていきます。まずはあなた自身が抱えておられる痛みに寄り添っていく機会をもってください。

信頼できる友人や援助者に話しても良いですし、同じ経験をされたお母さんと話してみるのも良いかもしれません。もちろん教会にご相談いただくことができます。ダメな母親なのではありません。ただ少しケアが必要なのかもしれませんね。

でも大丈夫です。愛するがゆえに経験した痛みや傷は、適切に関わることで必ずプラスに変えられていきます。

あなたの掛け替えの無い人生が素晴らしいものでありますように!

-子育て


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