イントロダクション
相談をお受けすることの多いパーソナリティ障害に関するシリーズです。
元々神学生時代から依存症、特に「共依存」と呼ばれる日本人の関係性に現れやすい依存症の問題を学び始め、牧師になってから様々な依存症の方々を支援してきました。
そうした経験の中で、共通した特徴を持ち援助が極めて困難なタイプの方々との出会いがあり、悪戦苦闘しながら少しずつ理解を深めていきました。
幼少期のトラウマに着目するカウンセリングの場では「アダルト・チルドレン」と呼ばれているタイプの方々です。やがて似たタイプの方々が医学的により整理された言葉として「ボーダーライン」とか「境界性人格障害」「パーソナリティ障害」と呼ばれるようになりました。
本ブログはこの辺の名称について厳密な説明を目的にしていませんので、あえて「パーソナリティ障害」という大きな括りの言葉を使います。私の関心はこのあたりの言葉が指し示す問題で苦しんでいる方々とそのご家族の応援であり、意味内容の厳密な提示ではないのでそのことをご了承ください。
ご家族からの相談
パーソナリティ障害に関する相談は、本人ではなくそのご家族からいただくことがほとんどです。私が関わったケースの大半は旦那さんやお母さん、姉妹や義理のご両親からのものでした。「伴侶」でなくあえて「旦那さん」と書いたのは、この障がいは女性に多く現れるからです。私自身の経験でもそうですし8割が女性というデータもあります。
相談にお出でになる方は「妻が、娘がパーソナリティ障害で苦しんでおりまして」とはおっしゃいません。パーソナリティ障害を知らずに、この障害によって生じる様々な問題に直面して疲労困憊し「もうどうしたらよいか分かりません」と追いつめられてお出でになることがほとんどです。
特徴
パーソナリティ障害に共通するのは気分・感情の予測できない急激な変化です。思いつくままに箇条書きにしてみました。
・突然気分が変わり怒りだし、家の中をメチャクチャにしてしまう
・不快なことが起こると夫など身近な人のせいにして理不尽に怒り狂う
・理解できない理由で過度の不安感に襲われ混乱する
・些細なことに過度にこだわり落ち着かなくなる
・一人でいることが苦手で寂しさから容易に混乱が生じる
・いつ気分を害して怒りだすか分からないので周囲は腫れ物に触るような緊張を強いられる
・嵐が過ぎ去ると別人のように穏やかになる
周囲の不理解
一見とりとめ無く見える特徴ですが、近しい人のパーソナリティ障がいで苦労してらっしゃる方には不思議とこういう言葉がピンとくるようです。
ひとたび混乱に陥ると感情のコントロールが効かなくなり、理不尽な言い分で騒ぎ立て周囲を苛立たせます。がまんできずに相手が怒り出すと「暴言を吐いた・虐待・DVだ」と自らを被害者に仕立て、周囲にたくみに自らのストーリーを信じ込ませるようなことがあります。
そのような混乱した姿を特定の人にしか見せないので、中々周囲の人の理解が得られずに困っている家族が孤立してしまいます。
スタートラインに立つだけで
以上のようにして、周囲の人は疲弊し追い詰められていきます。
そうした中で相談を受け「その方はパーソナリティ障害の傾向が
問題の原因を知るのはスタートラインにすぎません。解決は険しい道のりであるし、病気のようにスッキリ快復することが無い問題でもあります
それでもスタートラインに立つことが出来ただけで暗中模索、
まとめ
スタートラインに立てたことだけで本当に喜ばれる方が多くいらっしゃいました。それほど周囲は困惑し、手がかりない困難な状況に絶望的になるのです。
それゆえこの小さなブログを通して、少しでも身近な方の理解できない混乱に接して悩んでいる方の手掛かりを提供できればと願っています。
私は医者ではありませんので病気や障害の診断をくだす立場にはお