私たちは何かの問題を抱えた時に完全な解決方法を求めてしまいます。スッキリ解決する方法があればよいのですが、解決策が見つからない課題が人生にはたくさんあります。そういう時に、決定的な解決策では無い小さな手掛かりを拾い集めることが大切です。
心に残る先生

ある方が「子どもの頃に一番印象に残っている学校の先生は誰か」と問われて、私の友人の元先生のことを思い出されたそうです。
その先生は担任を受け持ったことはなく、授業もほとんど担当したことが無かったそうです。けれどもたくさんの先生の中でその方が一番印象に残っているとのこと。ステキな話しです。
影響を与える関係性とは

誰かを援助しようと思いながら中々上手くいかない時に、自分が関われる時間や機会の少なさを言い訳にしてしまいます。例えば子どもさんが難しい問題を抱えていて、担任の先生の関わりが適切とは思えない時に、自分が担任の先生のようにたくさんの時間関われないことを問題が解決できない言い訳にしたくなります。
けれども自分の経験を振り返ってみてどうでしょうか。長い時間関わった人、長い時間過ごした場所が印象に残り、短い時間の記憶は薄い、ということでもありません。
先ほどのエピソードのように、毎日一緒に過ごした担任の先生よりも、ちょっとした関わりしかなかった先生が印象深い・影響を受けたということがあるでしょう。見ず知らずの人のたった一言が人生に大きな影響を及ぼすことがあり、逆に大量の言葉をもらっても何も残っていないということもあるのです。
教会の小さな取り組み

川奈聖書教会では地域の子どもたちに向けた様々な支援・応援活動をしています。毎週月曜日に行っている「教会塾いっしょ」、毎月第二金曜日に開催している「子育てともとも リトミック」、月に一度の「こども食堂あいあい」などなど。
素晴らしい機会ですが、しかしもしかして「週に一度、月に一度」それでは意味が無いと思う方もいらっしゃるかもしれません。
私たちも「週に2・3度教会塾ができたら」「毎週こども食堂ができたら」と思うのですが、教会の規模や力を考えるとオーバーワークは目に見えています。
子どもたちが抱えている問題・課題、必要としている応援。子育ての難しい時代の中で親子さんが求めている休息や支援を考えた時に、私たちの教会が提供していることは本当に小さく解決にはならない取り組みかもしれません。けれども週にたった一回・月に一回の応援、その一回に心を込めて祈りを込めて行う時に、毎日に勝る特別な一回として、応援・支援・休息を必要としている方々の力になるのです。
まとめ
あなたの辛い・重たい問題がきれいさっぱり解決する方策は簡単には見つからないかもしれません。だからと言って小さな良いものを軽んじないでください。小さな小さな種が、思いがけず大きく育つことがあるのが人生です。
決定的な解決方法にならないことでもいいのです。良い機会・良い人・良い場所・良い援助を大切にしてください。続けてみてください。大きな問題に小さなしかし確かな風穴が開くことを経験できるでしょう。
あなたの掛け替えの無い人生が素晴らしいものでありますように!